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糖尿病性腎症で透析を受ける人に(入院患者さん対象)
2002/05/24
 

○○○○○○さんが、今後の人生を有意義に楽しく送るためのプログラム
最終更新日:2002年5月23日版
目次

糖尿病で腎臓が悪くなること(医師)
 糖尿病が原因で透析になる人が増えています。糖尿病は腎臓が悪くなる病気の代表
透析からはどうしても逃れられない(透析室)(工事中)
 じゃあ、楽しく透析を受けましょう。透析は人生の一部 その他の時間を有意義に
透析には2つの方法があります(透析室)(工事中)
 血液透析と腹膜透析 お互いよい所と悪い所があります。
入院中に行うこと(医師、病棟、透析)
 透析もやりますが、その他にちょっとした手術も必要です。そのほかにもやることがいくつかあります。
入院中に憶えなければならないこと(病棟、透析)(工事中)
 透析を受けるために憶えなければならないことがいくつかあります。糖尿病とのつきあい方を復習しましょう。
食事はどうすればよいのでしょう(栄養士)(工事中)
 腎不全も糖尿病も食事療法が大事です。運動はどうしましょう。
いよいよ退院(病棟、透析)(工事中)
 通院しながら透析を受けるには、うれしくもあり、不安もあり。
糖尿病で腎臓が悪くなること
はじめに
  腎臓が急に悪くなって、いきなり透析ということでびっくりされたことでしょう。
毎日、毎日、今まで聞いたことのないような話ばかりで、少しとまどっていらっしゃるんじゃないでしょうか?
糖尿病という、ある意味ではやっかいな病気をかかえてらっしゃいますが、それほど悲観することはありません。今の医療技術をもってすれば、今後、現在よりは、はるかに快適で、有意義な生活を送ることができます。
透析(維持透析)は最長でも週に12時間。その他の時間に、病気のことを考えたとしても、残る時間はたくさんあります。この時間を有効に使いましょう。病気のために、われわれは生まれてきたのではないのですから…
とはいうものの、入院中にいくつかのことを理解し、憶えなければなりません。ゆっくりプログラムは進めますので、最初は別世界の話のようで大変かもしれませんが、すぐになれると思います。わからないことがあれば、遠慮なく聞いてください。
わたしたちは、患者さんが、これからの人生を、快適で有意義に送れるよう、少し手助けをさせていただくだけなのです。病気とうまく付き合うには、なんといっても、患者さんのやる気、病気に対する姿勢によるところが大きいのです。
糖尿病で腎臓が悪くなるということ
  腎臓が悪くなる病気はたくさんあります。代表的なものが、腎炎と糖尿病ですが、現在では、糖尿病が、透析に至る腎臓病の第1位になってしまいました。透析を受けている患者さんの中には、仲間がたくさんいらっしゃるということになります。
糖尿病は全身の病気で、腎臓だけではなく、目や神経なども障害されます。原因は血管の障害といわれています。ある種の動脈硬化といってもよいかもしれません。ということで、糖尿病で腎臓が悪くなる時期には、目や神経もある程度障害されていますし、その他の部位にも動脈硬化が見られるようになります。
また、糖尿病は、ある時期を越えますと、何をやっても進行することが多いのです。もちろん、血糖を厳密にコントロールしたり、血圧の治療をきちんとやれば、進行を遅らせることはできます。中には、進行がとまるような方もいらっしゃいますが、残念なことに、ごくわずかで、進行性の方がほとんどというのが現状です。
かくして、透析のお世話になるという訳ですが、透析をはじめても、糖尿病の治療を併行して行う必要がありますし、上記のような合併症の治療も、同様に続けなければなりません。そういう意味では、腎炎などに比べると厄介な点が多いといえます。
腎臓は何をしているのか?
  われわれ人間は、無数の細胞で構成されていますが、これらがからだの中できちんと生きて、本来の仕事をするためには、細胞が生きている環境が常に一定の状態でなければなりません。細胞外の状態を厳密に調整し、細胞が生きて行くために、快適な環境を提供している臓器のひとつが腎臓なのです。いわば、縁の下の力持ち的臓器ですね。
具体的には、腎臓は水分や塩分、カルシウムなどの調節をしたり、老廃物の排泄を行ったり、血圧を調節するホルモンを分泌し血圧を一定に保ったり、血液を造るホルモンを分泌し貧血にならないようにしています。繰り返しになりますが、これらはすべてからだの中の細胞外の環境を一定の状態にするための作業なのです。
腎臓は血管-血液を介して、このような仕事をしています。そして、1日の血液処理量は、1.5トンに及ぶといわれています。
腎臓が悪くなるということ
  腎臓が悪くなった状態を腎不全と呼んでいます。腎不全には、急性と慢性がありますが、急性腎不全はかなり特殊な状態ですので、今回は触れないことにします。
腎臓が悪いとは、何らかの原因で腎臓が破壊され、ちゃんと働いている部分が少なくなることをいいます。働いている部分が半分になけば、腎機能(腎臓の働き)は半分に、3分の1になれば、3分の1になったといいます。
この腎臓の働きを示すよい指標が、血清クレアチニン値です。血清クレアチニン値が1の時は正常の腎機能。2になると2分の1、3になると3分の1、5になると5分の1というように、クレアチニン値の逆数が腎機能になります。2というとたいした腎障害ではないと思われるかも知れませんが、大変なことなんですね。
糖尿病という病気。体質?
  日本では糖尿病がものすごい勢いで増えています。
では、糖尿病とはどういう病気でしょう?
日本人の糖尿病のほとんどに遺伝的な背景があるといわれています。
遺伝されるもの、言い換えれば体質ですが、じゃあ、どういった体質が子々孫々遺伝されてきたのでしょうか?
それは、少し食べればやって行ける体質、少しの食べ物から充分なエネルギーが取り出せる体質ということができます。人間の歴史のほとんどの部分で、人間は飢えていたわけですから、そういう環境では、きわめて有利な体質といえます。
たとえが下世話になるかもしれませんが、燃費のよい車といってもよいでしょう。今でこそあまり聞かなくなりましたが、昔の車には「エンジンがカブる」という現象がよくみられました。エンジンからたくさんの馬力を引き出すには、たくさんの燃料を供給してやればよいのですが、燃料効率のよいエンジンに、必要以上の燃料を入れ込みますと、かえって力が出なくなり(これをカブるといいます)、エンジンの中にカスがこびりつき、終いには決定的な故障が招来されます。日本人の糖尿病のほとんどはこういうタイプだといわれています。エンジンはかなり悪くなっても修理がききますが、人間はそういうわけには行きません。日本人のなかには、上記のような体質を持った人が、10人に一人(5人に一人という報告もあります)いるといわれています。そして今や、糖尿病は透析の原因疾患の第1位になりましたし、心筋梗塞などの心臓病、脳梗塞、白内障をはじめとした目の病気などの大きな原因にもなっています。タバコの害については、あれだけ言われているにもかかわらず、たくさん食べることの弊害についての啓蒙は、厚労省、医学界も消極的過ぎる気がします。医者であれば、大変なことが起こりそうな気配は、だれもが感じていると思うのですが・・・・
かなり悪くなった糖尿病の治療
  糖尿病はある時期を越えると、大体が進行性に推移するといわれています。
ところが、最近は厳密な血糖のコントロールと、かなりシビアな血圧の治療によって、病気がよくなったというような報告もみられるようになってきました。日本では実現が難しいですが、膵臓移植(大体が膵臓、腎臓の同時移植ですが)によって糖尿病性腎症がよくなったという、夢のような報告もあります。
ただ、透析が必要なのは、相当に糖尿病が進んだ状態ですから、ここから糖尿病を治すというのは、現実的にはほとんど無理な話です。
じゃあ、糖尿病は治療しなくてよいのかというとそうではありません。快適で楽しい人生を送るためには、やはりそれ相当の覚悟を持って、糖尿病治療、自己管理に当たらなければなりません。治療に縛られる必要はありませんが、ここでも厳密な血糖の管理と、血圧などの管理が必要になります。
入院中にやること
血液透析
  とにかく、透析しなければならない状態になれば、透析をはじめます。
シャント(後述)手術をする間もない時は、管を入れさせていただきます。
シャント手術
  シャントは、快適に透析療法を受けていただくためのある種の装置です。
まさに命綱です。これがないと透析は出来ません。
大事に扱いましょう。
手首のところで、動脈と静脈をつなぐ手術をします。
高血圧の治療
  飲み薬による治療が主体になります。
適切な透析を続けると血圧は次第に下がってきます。
過度の降圧はよくありません。
糖尿病の治療
  食餌療法とインスリン療法
透析をはじめる頃になると、糖尿病が“枯れて”インスリンが不要になることがあります。
食事は腎不全もあるので、普通の糖尿病食とは異なります。
糖尿病と透析のために最適な食事を憶える。
糖尿病の状態を知るための検査を行う
 
1日血糖検査 1日の糖の動きを見る
HbA1c 1ヶ月程度の大雑把な糖の動きをみる
腎不全の合併症を憶える
  透析療法は体の中を正常な状態にはできません。
正常な状態にすることは、不可能ではありませんが、そのためには四六時中ずっと透析をしなければなりません。これは、非現実的なことです。社会生活を出来るだけ普通に近い状態で行える、最低限の時間しか透析は行いません。そういう意味では、不完全な治療といえましょう。そのために、次のような問題が生じてきます。
骨の問題、貧血、心不全、動脈硬化、アミロイドーシスなど追々、はなしをします。
その治療法を知る
  ビタミンD、カルシウム、鉄剤、エリスロポエチンなど
しかし、最も重要なことは充分に透析をするということです。
透析を快適に行うためのいくつかのポイントを憶える
  透析後に不快感、倦怠感が強い場合、透析にはある程度の我慢が必要ですが、我慢ができないときは、スタッフにどんどん言ってください。快適な透析医療を行うには、皆さんの声が必要です。すべての医療にいえることですが、とくに透析や糖尿病は、患者さんとともに医療をやってゆくという側面が強いようです。塩分制限や水分制限、それになま物を食べないという配慮も必要ですが、その意味について知ることが重要です。時には、こういう制限を緩めたほうがよいということもともありますので… 最も重要なことは、充分な栄養を摂り、充分な透析をするということです。これが全身状態をよくし、長生きするための一番のポイントです。
薬の作用、副作用の概要を知る
  薬については、ポイントを紙に書いてお渡しします。重要な副作用などについては、憶える必要があります。

**具体的なことは、追々少しずつお話します。
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