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第8回「知らず知らずに忍び寄る動脈硬化の進行」

     糖尿病の合併症には、細かい血管の障害である網膜症、腎症、神経障害がありますが、その一方に太い血管の障害である動脈硬化があります。
    心筋梗塞や脳梗塞など糖尿病患者さんの寿命を決定する大きな因子は、動脈硬化の進行です。
    糖尿病の方は、糖尿病でない方で過去に心筋梗塞を起こしたことのある方と同じレベルの心筋梗塞を発症する危険性があることが北欧の研究結果でも示されておりますので、糖尿病の方は常に心筋梗塞に注意をする必要があります。
    また糖尿病の方では、神経障害による早期より自律神経が侵され、糖尿病でない方では感じられる心臓発作時の胸のしめつける感じがないといわれておりますので、知らず知らずのうちに心臓の血管障害が進行し、発作時も胸痛などの症状がない危険性が高いものと考えております。
     
    そこでどのように早くその症状を見つめるかが大切です。
    簡単に動脈硬化を見つける検査としては、ABI 検査や頸動脈超音波検査などがあります。
    最近私たちが国際的に発表した研究成果(図)では、頸動脈超音波検査を実施した糖尿病患者さんにおいては左右2本ある頸動脈が両方とも厚くなっている方では、10名中7名程度の頻度で心臓の血管(冠動脈)のいずれかの部位が動脈硬化のために明らかに細くなっており、10名中4名程度の頻度で心臓専門医が近い将来に心筋梗塞を発症する可能性が高く、それを予防するために血管を広くする治療が必要と判断され、発作を起こす前に治療が実施されています。
    いずれの方も心臓については無症状の方で、ABI検査で異常をみとめた方は極一部の方のみでした。
    そしてHbA1cに代表される最近の血糖管理の良し悪しはあまり関係がありませんでしたし、コレステロールを低下する治療も非常に低いレベルまで低下していた方以外は、あまり大きな差はありませんでした。
    そのような結果を考えますと糖尿病患者さんは心筋梗塞を発症して大事に至らないように頸動脈超音波検査によりご自身の動脈硬化の状態を把握することが大切かもしれません。

    (文責:前橋広瀬川クリニック 糖尿病センター 清水弘行)

研究成果(図)
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