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第2回「糖尿病の診断は、どのようになされるのでしょうか?」

     糖尿病の典型的な自覚症状である口の渇き、多飲、多尿、多食や体重減少が存在すると、かなり高度の血糖上昇が疑われる糖尿病状態です。また健診などで「血糖値が高い」と指摘を受けて病院を受診される方も多いと思いますが、どのようにして糖尿病という診断がなされているか?「予備軍」ってなんだろうと思われている方もいらっしゃると思います。
    そこで今回は、糖尿病の診断についてお話をいたします。
     
    血糖値とは、血液中のブドウ糖濃度のことを意味します。ご飯やパンなどのような主食などに含まれる炭水化物が腸の中で消化酵素により分解され、多糖類から二糖類、そして単糖類であるブドウ糖となり、血管の中に吸収されるわけですので、食事前の空腹時の血糖値と食事をした後の血糖値は全く正常値も異なる(食後が高い)ということはおわかりいただけると思います。空腹時の血糖値の正常値は、110 mg/dl 未満となっていますが、100 mg/dl 以上の方は後ほどお話させていただくブドウ糖負荷試験を受けていただくと予備軍と診断されたり、糖尿病と診断される方も含まれることがありますので、本当の正常値は 100 mg/dl 未満ということになります。100 mg/dl から 110 mg/dl は、「正常高値」として注意が必要となるわけです。そして空腹時血糖値が 126 mg/dl を越えると糖尿病の範囲です。
    糖尿病では、随時血糖値と呼びますが、食事のタイミングとは関係なく、いつ測定しても血糖値が 200 mg/dl を越えると糖尿病の範囲になります。また比較的軽度の血糖上昇の方では、ブドウ糖負荷をした後の血糖値の上昇も重要となりますので、75gのブドウ糖を含んだ検査飲料を飲んでいただいた後の血糖値、特に2時間後の値が 200 mg/dl を越えていると糖尿病の領域になります。「糖尿病予備軍」とは、75gブドウ糖負荷試験を行った結果、空腹時血糖値が110mg/dl から 126 mg/dl 未満の範囲にあったり、負荷後2時間の血糖値が140mg/dl から 200 mg/dl 未満の範囲にある糖尿病とも診断できないが、正常でもない方を示します。「糖尿病予備軍」の方は、今後生活習慣などの改善を行わないと近い将来、糖尿病へ移行する可能性が高いとお考えください。
    ここでみなさんに HbA1c という言葉を覚えていただく必要があります。HbA1c とは、赤血球の中のヘモグロビンにどのくらいブドウ糖が結合しているかを示した値です。検査時からさかのぼって、1〜2ヶ月の血糖変動を示すとされています。正常は、6.2%未満となっています。この数字が、6.5%以上は糖尿病の範囲となります。糖尿病の合併症の一因として体のたんぱく質にブドウ糖が結合することもあげられておりますので、合併症予防のためにも重要な数字です。
    以上のような検査数値を参考として、図にありますような過程をへて正式に糖尿病と診断がなされるわけです。

    (文責:前橋広瀬川クリニック 糖尿病外来担当 清水弘行)

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